株式会社　東豊精工

　株式会社東豊精工では、５０年間、ばねやばね製造機械を作り続けています。そのばね製造に必要な工程に、炉での熱処理があります。従来の直結式小型電気炉は外からの影響を受けやすく炉内の温度が大きく変化することに課題がありました。製品の特性に影響を与えるだけでなく、製造過程で強い臭気と油煙が生じ、環境にも影響を及ぼしていました。

　そこで、昨年、市の補助金を活用し、環境対応閉鎖型直結式小型電気炉「テンパーボーイ・グリーン」を開発しました。この電気炉では、投入装置と搬送装置の効果的な運動により、炉内の温度と品質の安定を図っています。また、強い臭気と油煙はひとまとめにして分解浄化し、炉外に排出され、周辺の環境改善も行えるようになりました。熱ロス削減による省エネ化や排気のクリーン化、コンパクトでメンテナンスが容易など、優れた特徴を持つ電気炉として脚光を浴びています。

　精密で特殊な「線ばね」、金型から一貫生産の「薄板ばね」、線径0.15ミリメートルのマイクロスプリングなどの製造と併せて、業務に適合した機械を以前から自社で開発・製作してきました。

　私たちの日常用品から先端工業分野まで、幅広いところで活躍するばねが身近なところで作られています。

（この記事は、広報とよおか　平成２３年２月２５日号に掲載されたものです。）