株式会社オーク

　建設工事現場をはじめ、道路や鉄道などから発生する振動は地盤中を波動して伝わり、周囲の居住者に著しい不快感を与えることがあります。この振動に対する苦情は、平成17年度で全国に3600件に上り、対策は取られているものの抜本的な解決に至っていません。

　オークでは、廃タイヤと芯材からなる防振材を地中に埋めることで波動の伝わりを遮断し、地盤振動を少なくする工法を編み出しました。

　この廃タイヤを利用した「振動伝播 阻止工法」は、平成17年、立命館大学理工学部との産学連携を行う事業に認定され、翌年には「廃タイヤ防振工法」として特許を取得しています。

　この工法は、他の同様の工法にはない優れた環境保全があります。

　自然環境面では、廃タイヤをほぼ原型のまま使うことからマテリアルリサイクル（素材としての再利用）といわれ、燃やす利用と異なり、地球温暖化防止に貢献しています。

　また、生活環境面では、この工法で約10デシベルの振動低減効果が得られ、環境改善にもつながっています。

　すでに、この工法は、大阪府茨木市の工事に使用され、モノレールの支柱に隣接する建物への振動を緩和する効果のあることが実証されました。

　市では、振動による苦情は多くありませんが、全国的には、高速道路や鉄道沿線で深刻化しているところもたくさんあります。今後、この工法がさまざまなところで活用されることが期待されます。

（この記事は、２０１０年１２月２５日発行の「広報とよおか」に掲載されたものです。）