企業訪問レポート
2012/07/25 小谷 和史
株式会社川嶋建設
Q 開発のきっかけは
当初、国立舞鶴工業高等専門学校と鉄筋コンクリートビルの高強度カーボンを使用した耐震工法について研究開発を進めていました。 研究開発を進める過程で、「木造用の耐震工法はないの?」と質問を受けたことがきっかけで、開発に着手しました。 Q どのような技術ですか? 開発した「耐震ブレースX」工法は、その名のとおり、壁面に「X」型の高強度カーボン板を取り付ける工法です。たったそれだけ、と思われるかもしれませんが、築50年の木造住宅に耐震ブレースXを取り付けて振動実験を行ったところ、新耐震基準をクリアするまで補強されました。 使用される高強度カーボンは、航空機や最新自動車に採用されている新素材で、鉄よりずっと軽いにもかかわらず、鉄の10倍の引張り強度を持っています。 Q 在来工法と比べて、「耐震ブレースX」の利点は? まず、大掛かりな工事が必要ないということです。在来工法では、一度壁を除去しなくてはなりませんが、この工法では、壁の外に取り付けるため、壁の除去が不要です。 これにより、工事期間が大幅に短縮されるばかりでなく、在来工法より30%程度安く施工できます。また、高強度カーボン板は半永久的であり、メンテナンスもほぼ必要としません。 Q 具体的に施工のお値段は? 耐震診断・耐震設計を行わなければわかりませんが、1軒(概ね40坪程度)あたりおよそ百数十万円程度になります。市の建築住宅課が行っている住宅耐震回収促進事業補助金を利用いただければ、上限30万円まで補助されますので、是非ご利用いただきたいです。 Q 環境への効果は? 外壁取り付けの場合は、壁の除去を必要としないため、産業廃棄物の発生を、在来工法の約1/50程度に抑えることができます。 Q 今後の展開は? まず、市内で実績を積んでいくとともに、地震に強い街づくりの応援をしたいと考えています。 耐震工事は、いわば保険のようなものです。地震が起こってからでは遅いので、耐震セミナーのような勉強会を開催し、耐震工事の効果について知っていただきたいです。 また、市の行っている無料耐震診断(昭和56年5月31日以前に着工した住宅を対象)を是非利用し、自分の家の耐震性を知っていただきたいです。 (この記事は、平成24年7月25日号広報に掲載されたものです) |
株式会社川嶋建設
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